その話は、やめようよ
「前腕の長さって足のサイズと同じなんだぜ!」
「へぇーすごい!じゃあ足のサイズはもう皆知っているであろうから、腕を使えばいろんな長さがわかるのね!」
「なんか口調がやけに説明的だけど、まったくそのとおりだよ!あとは僕の場合、人差し指の先から付け根までが10センチ!」
「10センチは便利!私も何かないかな??」
「こぶしの幅を測ってみなよ!」
「あ、すごい、ちょうど5センチ!便利」
「こんな風に自分の体のだいたいの長さを知ってると色々便利だよ〜」
「そうね!あ、じゃあ座高は何センチなの?」
「え、ざ、座高?!」
「うんそう!座高はどれくらいなの?」
「え、えと座高は……あ!歩幅はだいたい1メートル!」
「そうなの?でもそうじゃなくて、私が聞いてるのは座高だよ」
「ざ、座高は別にいいんじゃないかな?」
「え、なんで??」
「えっと、座高が分かってもさ、長さ測りづらくない?自分で見えないしさ、うん」
「私が見てあげるよ」
「いや、でも一人の時とかさ、わかんないじゃん??」
「うん、まぁ、そうだけど」
「ね、ね、そうでしょ?だからさ、座高の話は、一旦ちょっとやめようよ」
「うん、わかった」
「まぁ、もしまた機会があったらその時に話そうよ。もし、どうしても座高の話をしなければならない、そういうのっぴきならない状況に、奇跡的に僕らが二人とも同時に置かれてしまった場合にね」
「うん、わかった」
「ほら、他の部分ならいくらでも聞いていいからさ」
「そう……じゃあ、股下の長さはどれくらい?」
「もうこの話はやめにしよう!」